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1. アルブレヒト・デューラーの教科書『計量法』(1525年、初版)
金沢工大の「工学の曙」文庫と名付けられた稀観書のコレクションは、全1,202冊という規模もさることながら、15世紀以降の主要な科学技術上の業績の初版本をほとんど揃えた世界的にも貴重なコレクションです。
その中に、ドイツ・ルネサンス期の画家、アルブレヒト・デューラーの本が2冊あります。デューラーは、「メランコリア」をはじめとする銅版画やペインティングで有名ですが、実はこの本のことはあまり知られていません。
比例理論を学んだ彼は、正確な形態を構成するための人体比例論や透視図法などの研究を続けました。さらに数学理論や立体幾何学等の研究を進め、集大成したのがこの本です。これを見ると、デューラーの表情豊かな絵画や銅版画が彼の自然観察から生まれた数学や幾何学で裏打ちされていることが分かります。デューラーは、未来デザイン研究所にとっても重要なインスピレーションの源泉です。
2. コミュニケーション・カーテン
IT化の進展に伴い、私たちの家庭にもエレクトロニック・コミュニケーション・システムが浸透しつつあります。特に、埋め込み式コンピューターやユビキタス・コンピューターが各種家電製品とホームシステムを結び、壁いっぱいの巨大ビデオスクリーンの価格が下がり、遠隔地にいる人たちとのコミュニケーションが簡単にできるようになれば、将来の家の環境にも大きな影響を及ぼすことでしょう。
今日、テレビ、ゲーム、携帯等の技術はややもすれば家庭内のコミュニケーションを妨げるばかりか、社会的な問題にもなっています。しかし、これは技術がいけないのではなく、その適用の仕方に問題があるのです。
「コミュニケーション・カーテン」プロジェクトは、どうすれば家庭における大型ディスプレイ・システムのプラス効果を極大化できるか、を模索するものです。特に、1)薄型フレキシブルLEP(Light
Emitting Polymer)ディスプレイ技術、2)アンビエント・インフォメーション・ディスプレイ・システム、3)アドホック・ピアツーピア・ネットワーク、4)日本の十二単にヒントを得た、色彩とパターンのみを用いたコミュニケーション言語を活用した実験を行っています。当日は、研究所の一角をリビングルームに見立て、ビデオシミュレーションを用いたプレゼンテーションを行います。また、宮中ご用達装束店として何世紀にもわたって装束の制作を手掛けてきた高田装束店(九段下)のご厚意で、色見本のオリジナルをお借りすることができました。これも必見です。
3. FDIロボット・プロジェクト
より安く、プログラムしやすくなったこともあり、ロボットはますます身近な存在となってきました。私たちは、家庭におけるロボットの将来の応用について考察を進めた結果、ロボット・デザインの最も重要な側面が、ベーシック・オペレーショナル・アルゴリズムとインタラクティブ・アフォーダンスの決定にあるように思えてきました。
デザイン・プロセスに焦点を当てた今回のプレゼンテーションでは、おもちゃのような実験的プロトタイプを用いながら、技術あるいはデザイン上のインスピレーションというものをお伝えしようと思っています。
4. オートジェネレーション(自動生成)
デジタル技術はほとんどすべてのクリエーティブの分野に影響を与えており、大半のクリエーターたちはクリエーティブ・プロセスのパラメトリック・コントロールに馴染んできています。そうした中で、どこまでをアーティストが決め、どこまでをコンピューターに任せるのか、といった問題も浮上してきています。
私たちが特に関心をもっているのは、「オートジェネレーション」(自動生成)です。アーティストの関与を意図的に最小限に抑えたプロセスのことですが、このプロセスはしばしば見事なまでに「自然発生的」な芸術作品を生み出します。今日、これと似たようなシステムは、複雑なロボットや建築システムの生成や、モーツアルトのような作曲家が作曲した作品と区別がつかないような音楽をつくるのにも用いられたりしています。今回は、そのような自動生成システムを活用したビデオ作品、デザイン、音楽などを皆さまがたにご覧に入れます。
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